しゅおん

silentのしゅおんのネタバレレビュー・内容・結末

silent(2022年製作のドラマ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

言葉の使い方が好き。
伝え方が好き。
あたたかい世界観が好き。
透き通った寒い世界に一筋の光が入ったようなあたたかさのある感じ。
繊細な表現を言葉で、間合いで、表情で、仕草で、行動で伝えることがどれだけ難しいか。
先の先を行ってて、凄いと思いつつ、悔しいとも思った。
"言葉は何のためにあるのか"
本当にその通りだなと。
伝えるって難しい。話すからこそ伝わることもあるし、傷つけることもある。
話さないから伝わらないこともあるし、守ることもあるし、傷つけることもある。
だから伝わった時はとびきり嬉しいし、幸せを感じられる。
言葉、もっと大切にしていきたいし、大切な人にこの想いを届けたい。

最終話は終始泣いた。
紬のお母さんが言った、想いは全部ぶつけないと思い出として残っちゃうから、全部ぶつけてきなさいって言葉にぐっときたり。
紬が文字で想いをぶつけるシーン、黒板で喧嘩をするシーン、湊斗から、奈々からのお花のおすそわけのシーン、ラストに言葉を発してるけど、あえて何て言ってるかわからない演出も素敵だった。
紬に対していつ声を発するのか、ずっと楽しみにしてたけど、まさかこう来るとは!って感じ。
紬と想が昔のクリスマスの時に同じプレゼントを交換したみたいに、お花を交換するのに日常でよくありそうな地下鉄のホームでする所とか、紬がそのお花を雪の結晶って表現して、冒頭に繋げる所とか、お花には音が無いけど、言葉を持ってるって言って渡す春尾とのシーンとかとても印象に残った。

一途に愛する紬の強さも好き。
どこまでも周りを大切にする湊斗も好き。
あざといけど、可愛い奈々が好き。
考えしいなのに無邪気さがある想が好き。
人の差別的な考えを徹底的に嫌う春尾が好き。
ツンデレだけど、お姉ちゃんを大切に思うひかるが好き。
人の色んな所も見えるこの作品が好き。
初めてだな、こんなに泣いて、考えて、観たいって思ったのは。
小説を現実世界に落としこんだように繊細な作品だった。
しゅおん

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