丁寧な脚本と演出で、登場人物の描写も物語のテンポ感も時間をかけてじっくり描いていたのがとても好感が持てた。
いわゆる難病モノの恋愛ドラマの狭い枠に囚われずに、聴者とろう者だから分かり合えないのではなく、聴者同士でもそれぞれ考え方や過ごしてきた時間が違うから完全には理解し合えないし、だからこそ言葉を積み重ねていくというテーマに集約した構成は見事。頭では理解していても簡単に割り切れないそれぞれのキャラクターの心の機微や表情も良かったな。
紬と想はもちろん、湊斗、奈々、光、萌、真子といった周りの配役も絶妙。毎話誰かが泣くドラマも珍しいけど、泣いちゃうのもよく分かる。観た人それぞれに好きなシーンがあると思うけど、個人的には紬の実家での紬と母の会話が一番刺さった。
