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寄生獣 -ザ・グレイ-のkissenger800のレビュー・感想・評価

寄生獣 -ザ・グレイ-(2022年製作のドラマ)
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原作完結からもう30年近いので今こんなことを言っても信憑性ないものの言わずにはおれないので言うんですけど、俺もうずっと原作をアレンジするなら広川主人公で再編集すべき派だったんですよ!
いやー、まるで期待も予想もしていなかったタイミングで自分の妄想が出現することってあるのか。
ヨン・サンホにしてはキリスト教要素が少なかったですけど、インタビュー何本か読んだらどうやら原作ファン魂がライフワークの宗教観をも上回ったっぽく、それはそれですごい話。

グレイって副題、宇宙人の代名詞のあのグレイだと思うんですけど間違ってたらイヤだと思ってなのかあんまり世間で触れられてなくてちょっとウケるよね。寄生獣を分かりやすく言えばアウタースペースからの侵略者ですよ、ってグローバル向け親切心と捉えたんですが、そういう不要な解題の最たるものが本作後半のあからさまな「語り」で、それは執筆当時25~32歳だった岩明均がたどたどしくも言及を避けたやつで。
原作者のそうした美学に反してコマーシャル要請に従う対照的なヨン・サンホ(46歳)、それは彼の作家性というよりは世間ズレというべきで、むう。
って同担拒否の声が漏れそうでしたが、まあ暗示していても伝わらない世の中だしな、と30年の歳月を理由に許しました。どうだい、このあたりいかにも面倒くさい原作ファン感想だろう。

とかなんとか書いてきましたが本作最大の個人的な驚きは俺が愛してやまない『チョ・ピロ 怒りの逆襲』(2019)で鮮烈な印象を残したものの仕事しねえなあ、とずっとインスタでフォローしていたチョン・ソニが俺に黙って突然こんな大きな仕事をもらっていたことでした。言ってよ!
(いま彼女のアカウント見直したら1ヵ月前にポスター載せてた。すまん気付かんかった。あーびっくりした)

ドラマなあ、って渋ってたのを300分の超大作だと思えばいいじゃないですか、と背中を押してくれたレビューに感謝。
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