かりんとう

忍びの家 House of Ninjasのかりんとうのレビュー・感想・評価

忍びの家 House of Ninjas(2024年製作のドラマ)
3.8
外国人が喜びそうな、JAPANESE NINJA STORY

最後までワクワクしながら一気見できた。
ツッコミどころとか細かいことは気にしないで見るべし。ファンタジーなんだから。

現代最後のスタイリッシュな「忍び」一家が、国家を揺るがす巨大な陰謀に立ち向かっていくストーリー。
というと相当に手垢がついているように聞こえるが、賀来賢人が「家族の物語を描きたかった」と言っている通り、主軸にあるのは宿命を背負った忍びでありながらも強い絆で結ばれた家族それぞれの思いである。
お父さんは一家の頼れる大黒柱だし、お母さんは身を挺して我が子達を守る。
政府公認の密偵でありながらも、万国共通のステレオタイプな家族である彼らに、観るものは親近感を感じる。そして父母息子娘の気持ちになって考えられるのである。

江口洋介の「酒造メーカーのしょぼくれた社長ルック」からの忍び装束でバッタバッタと敵をなぎ倒していく様は本編のハイライト。
いやぁかっこいい!むしろ賀来賢人と敵大将のバトルシーンよりもグッと来てしまった。
流石は中年の星、江口洋介。永遠のあんちゃん!

物語の結末はシーズン2への布石を感じさせる終わり方だったが、これは最近のネトフリあるある。
莫大な制作費をぶっこむ分、数字には大変にシビアなネトフリさん。
「次のシーズンに乞うご期待!」ではなく「次のシーズン?あるかもね??」くらいにしておかないと悲しむ人がたくさん出てしまう。
(ドラマ「1899」とか「OA」とかその他たくさんね)

キャスト面で言うと、賀来賢人と山田孝之が共演するとどうしても福田ファミリーを連想してしまって、どちらかが変顔でもしだすのではないかと期待してしまう自分がいる。
どこかに佐藤二朗やムロツヨシが見切れていないか本気で探してしまった。(もちろん彼らは見切れていない)

一家の末っ子役、番家天嵩(ばんかてんた。もうリアル忍者みたいな名前やん!)くんの演技がうますぎて何よりもそれが一番びっくり。
彼こそがこのドラマの完成度を爆上げしたといっても過言ではない。
あやめ役の仲万美さんは、自眉剃り落とすくらいの気合が欲しかったなぁ。

ツッコミどころは気にしないと書いたが、大多数の日本国民の命がかかってるんだから銃火器とSWATくらい投入してくれよ!!
と思った冬の夜。