THE DAYS
調査した情報を基に、事実を可能な限り忠実に再現した、とのこと。
しかし、どこまで事実であるかは、おそらく誰にも分からないであろうと私は思うよ。
福島第一原発事故で被曝をしながらも注水のために残って対応をされた東電社員の方々や、自ら現場へ支援に行った協力会社の方々の責任感と有志に心より感謝をしたい。
そして、チェルノブイリ原発事故の時よりも非人間的な対応を強いた東電経営陣や、ほぼ何も理解をしていなかった原子力安全保安院の面々が、あれほどまで無能で無責任ではなかったなら、事態はより迅速かつ好ましい方向へ進んだのではないだろうかね。
当時のニュースで繰り返し流れていた原子力安全保安院の会見の様子は、今でもよく覚えているよ。
まるで危機感も現実感もない、ただ淡々と棒読みするだけの姿をだ。
さて、映画についても述べておこうかね。
役所さん、相変わらずの役所広司だったよ。
小日向さんもまた、相変わらずの小日向文世だった。
TEAM NACSの音尾琢真くんが、とても良い演技をしていたよ。
なんと言えば良いのか、このドラマを観ている我々の心を鷲掴みにして離さなかったのは、彼のあの演技だったのではないだろうか、とさえ私は感じたよ。
彼が出演している作品の内で、私が記憶しているものは映画『関ヶ原』での福島正則役くらいなので、その点は悔い改めたいと思うが、このような素晴らしい演技をされる俳優さんなのだということを、今作で改めて認識をしたよ。
竹野内豊氏の演技が、悪い意味で少々気になったよ。
ほぼ全セリフを棒読みしていた。
当直長の井沢さんという方が、実際にあのようなキャラクターの方なのだろうかね。
良い意味においても、悪い意味においても、この不幸な事故に関わった方々は、当時、それぞれの立場と価値観に則って、精一杯のことをしたのであろう。
保身であったり、責任感であったり、使命感であったり、怒りであったりといった違いは多分にあったであろうと私は思う。
だが、まさに未曾有の天災による不幸な出来事だった、ということを、私は忘れないようにしたいと思う。
自分が彼らのどの立場だったとしても、彼らほどのことが出来たか否かは疑問だ。
あの場に居合わせた本人たちにしか分からない、深い苦悩と葛藤があったであろう。
安全な場所にいた我々が、後付けの理詰めで非難をすることは簡単だよ。
だが、自分がそこにいたとしたら、果たしてどうしていたであろうか、と常に自問自答をして生きてゆきたいと思う。
その他は、述べておきたいことはもう無いな。
以上。