胸が詰まる内容だった。
殺人が目的ではなく手段で、何かしらのパラフィリアなんだろうけど、実在したシリアルキラーであるジェフリー・ダーマーも人間なんだなとしみじみ考えさせられた。
とはいえ、残虐で残忍な事をした事に変わりはなく、同情すべき部分もありながら、同情出来ないなとも思わせてくれる作り方が良かった。
彼を崇拝する人もいたし、私も殺人鬼のストーリーは好んで観てしまうけど、被害者がいる訳で、現在だって被害者遺族がいるし、被害者だけではなく取り巻く人々全ての人生を変えてしまう出来事だったんだよね。この時代の背景や被害者の人柄なんかも分かるので、本当に観ていて辛くなる。
なんとなくだけど、この作品を作るべきだったのか、どう作るべきなのかという製作側の葛藤や信念みたいなものも感じられた。
決してジェフリー・ダーマーをヒーローみたいにしてはいけないし、ご遺族を追い詰めてはいけないし…。実際の殺人鬼をドラマで掘り起こすってなかなか出来る事じゃないね。
ただのエンタメ作品にはなっていない所がとても良かったです。
主演の俳優さんも素晴らしかった。
冷たさや恐怖や切なさを感じさせてくれた。
ドキュメンタリーも観なきゃ。
