ここで注意したいのは彼が同性愛者であることと、性的嗜好は何ら異常ではなく罪の対象でも無いということ。彼を異常者に仕立てあげたのは、親の離婚により愛情を享受出来なかったこと・自分の考えが周囲に全く理解されないことからくる深い孤独だと思います。加えて、重度のアルコール依存により現実と妄想世界の区別もつかなくなっていたかと思われます。
また、事件が明るみに出るのが遅かった要因として、彼が標的としていたのが黒人や移民であることにより警察側もまだ時代的に差別感覚が残っていたのと、同性愛者同士のトラブルに関わりたくないというこれもまた差別感覚なのだと思います。
このことをダーマー自身がわかっていた上で社会的弱者を標的としていたのならば、悪質極まりない犯行です。ー追伸ー
白人がカメラを壊されただけですっ飛んで来るのに、黒人が命に関わるような通報をしても動かない警察。怠惰を働いた警官が大ホールで復職を祝われているのに対し、被害者の救済に尽力した夫人を賛賞する場は小さな会議室のような場所で数人規模。この皮肉なまでの対比は大きなメッセージです。
