spotifyの創業から成功、そしてこれから起きるかもしれない未来を描く。
僕は音楽がめちゃくちゃ好きで、いろんな音楽を聴いています。
昔はカセットテープだったものがCDになり、MDを経てItunes(MP3)へと進化。
年を追うごとに聴きたい曲は増え、何を聴くか毎日MDを持ち歩く時代からついにiPod1台を持てば良い時代になり、めちゃくちゃ便利になったなぁと思ったものです。
でもやっぱり聴きたい曲は増え続け、ストレージの限界を超えるほどになると、iTunesでも不便になってきたなぁ…と思っていた頃に、音楽がストリーミングで聴き放題になる本ドラマの題材であるSpotifyが開始に。
日本に来たのは2016年。
自分はストリーミングで聴くには通信量がバカ高になるのでしばらく様子を見て、2017年にSpotifyを契約しました。
月日が経てば経つほど、配信される曲もアーティストも増えていき、ついにはCDの新譜が発売されるのと同時に配信されるようになります。
むちゃくちゃ画期的で、もう感動!!😭
iTunesの時からCDはデータ化したら置物になるだけなので、だんだん所有することに意味を感じられなくなっていたのと、毎回リッピングするのがどんどん面倒になり、TSUTAYAでCDを借りる・返すという行動も面倒になり、CDを買うのも借りることもまず無くなりました。
コロナ禍に突入すると、外出を控えるようになったことがトドメになったなと思います。
現在進行形で音楽ストリーミングにはどっぷり浸かっております。
そんなこともあり、このドラマは絶対観たい!と思っていました。
1話1話、メインとなる主人公が違うというスタイルで、まるでかまいたちの夜のようなサウンドノベルゲームみたいにストーリーが進行。
視点や立場を変えることでSpotifyがどのように作り上げられていったかがわかります。
スタートアップの成功は世の中の流れ、社会課題の解決、出資者との繋がり、ハイパフォーマーエンジニア、そして運が絶妙に絡み合うことで導き出されるということが実感できる構成になっており、5話目までめちゃくちゃ面白かったです。
特に4話目のプログラマーは、自分が仕事でもPM業をやっていることもあり、エンジニア視点でめちゃくちゃ共感しながら観ることができました。
しかし、最終話の6話目は蛇足の極みであり、面白さを失速させています。
これがとても残念。
5話目まではSpotifyの成功の光と闇が描かれており、一方が輝けば、闇が深くなる側面もあるという二律背反を巧みに描いており、ただのサクセスストーリーに終わらない、絶妙なリアルを描いていたんですが、6話目はこれから起きるかもしれない未来の話で、Spotifyの歴史と全然関係ないからです。
しかもアーティストの視点で収入が入らず、音楽を作っても豊かにならない。だから訴訟を起こすということに終始しています。
なんやねん、この未来。
しかもそれはダニエル(SpotifyCEO)の幼馴染という設定。
正直何を観させられているのかな?っていうくらい面白くなかったです。
サブスクがある、ないに限らず、成功するアーティストしないアーティストはいる。
サブスクに出したくないならそうすればいいし、違う戦い方を模索するしかないのでは?と思う。
正直もう音楽って買わないですよ。
本当に好きなアーティストだけは買いますが。
それって別に音楽ストリーミングが無くても一緒でしょ。
可処分所得が減り、可処分時間は限られていて、体験できるコンテンツは膨大に増えている。
戦いは音楽の聴き方だけじゃなく、ゲーム、マンガ、映画など様々なコンテンツとの過当競争なわけです。
そういう視点が何も無く、ただただSpotifyというストリーミングが悪いという視点で進んでしまうのは、音楽ファンである僕からすると、一つの側面でしか見てなさすぎるのでは??と思ってしまいます。
音楽に触れやすくするキッカケは間違いなくストリーミングがあるからです。
これなかったらもう音楽聴いてないなって思います。
音楽をストリーミングで聴くか聴かないかの時代に入っているのに、旧態依然の思考も大事だよね、と説く最終話はなんでこんなストーリーにしたのかな?と思います。
アーティストへの配慮なんですかね?
情に訴えるため?
ダニエルが屈しない姿勢を貫いてるのは良かったです
究極の話、これから新しい音楽が一切聴けなくなっても、今まで生み出された音楽が聴けるなら、もう満足ですね。
今新しく生まれている音楽に、特にあまり感動しないんです。
なんというか、何を聴いても、昔聴いた衝撃を超えるものはなく、あーコレ系ね、と思って聴かなくなります。
そうなってしまった音楽というシーンが根本的な原因であって、ストリーミングがあるからアーティストが音楽だけで生きていけないはないっすよ。
5話で終わってれば完璧でした!