Uえい

三体のUえいのレビュー・感想・評価

三体(2023年製作のドラマ)
2.5
数年前に原作がすごく流行っていて、気になっているうちにドラマが配信されていた。調べたところ、原作が書かれたのは2006年頃で驚いた。結構グロいシーンが多いので要注意。

中国で文化大革命が起きていた頃、葉の父は有名な科学者だったために殺される。その後、葉は下放され苦しい生活を送っていたが、天体物理学の知識を買われ、宇宙との交信をする職につき、三体人という宇宙人と接触する。

月日は流れ現代、葉の娘がその事実を知り自殺する。そして彼女を慕う教え子で才能のある科学者たち、通称オックスフォード・ファイブの面々が彼女の死の真相を探っていく。彼らにも三体人が近づき真相を語る。三体問題という解決できない惑星の不安定さで故郷を追われ、移住先として地球に向かっており、400年後にやってくる。それを知ったために絶望して死んだのだった。

地球には三体人のソフォンというデバイスが存在し、到着までの間、人間の科学的な進歩を遅らせる機能があった。妨害されつつも、人類は三体人に立ち向かうのだった。

がっつり途中のまま終わってしまい、全4シーズンの予定だそうだ。スティーブンキング的な友情と、未知との戦いは、新しさはないけど体に馴染んで面白い。400年という想像できない長期の出来事と、友人が末期がんで限られた余命というのがうまい対比になっていて、壮大だけど地に足がついていた。環境問題が根底にありそうで、同様の「デューン」も思い出す。

ただ、科学的な考証がどこまで正確なのか気になった。次元を越えられるのになんで400年かかるのか。ナノ繊維で水が濾せるのか、汚れが粉々になるだけじゃないのか。思考は読めないならVRは何故動作していたのか。などなど、全部三体人の計画でVRでしたオチとかならまだわからないが。あと、ウィルとの別れのシーン、電話して待って貰えば良いのにと思った笑

一番面白かったのは最後の方の面壁者(三体人に対抗する計画を頭の中だけで組み立てる人)に選ばれたソールのシーケンス。任命を拒否したのに、それ自体が面壁者としての振る舞いとされていて、藤子F不二雄的な短編のコメディ漫画の様で楽しめた。
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