バナバナ

三体のバナバナのレビュー・感想・評価

三体(2023年製作のドラマ)
4.5
原作は2008年に中国で出版されたSF小説三部作『地球往事』の中の第一作目『三体』の映画化。
中国では2023年に、1話46分の30話でこの第一部が映像化されているみたいですね。

Netflixsの本作の方は、現代パートはロンドンが舞台で、もちろん登場人物も色々な人種で構成されています。
Netflixs版は、2014年11月に出版されたケン・リュウによる英訳版を基にしており、英訳版では原作者リー・ツーシンの意向を組んで、文化大革命のシーンは第一章に入れられており、Netflixsのドラマでも第1話は文化大革命から始まっています(中国ではこの文化大革命のシーンがリアルなので、Netflixsのコメント欄は封鎖されているそう)。


そもそもタイトルにもなっている“三体”とは何か?
地球からはるか遠く離れたある惑星は3つの恒星の重力に影響され、その軌道が乱れた結果、地表が数千度まで上がる灼熱地獄や、窒素も凍るほどの極寒の気候を繰り返し、地球よりも何百年も先の科学力を持っているにも関わらず、何回も文明が滅んできた。
そして彼らの計算では、とうとう彼らが住む惑星は度重なる軌道変更による変化に耐えきれず、複数の恒星の引力に引き裂かれて、その内の一つの恒星に惑星ごと墜落して終焉を迎える、という結果を導き出していたのだ。
移住先をもとめていたその惑星人は、目標を地球に定めた。


冒頭の文化大革命で、物理学者の父を学生の紅衛兵の公開リンチで殺された娘・葉文潔(イエ・ウェンジエ)は、父をも超える物理学の知識を持っている天才物理学者だった。
彼女はその才能で文化大革命を生き残り、大きなアンテナを持つ山の天辺の秘密基地に配属され、この“三体星人”からのメッセージを受け取る。
父を殺され、人類に深い絶望をしていた葉博士は彼らを“三体”と呼び、「あなたたちを迎え入れたい」とメッセージを送り返すのだった…。
その頃、葉博士は環境活動家で中国に来ていた青年マイク・エヴァンズと知り合う。
同じく人間嫌いで自然を愛するマイクと葉博士は意気投合。
やがて毛沢東が死に、学会でイギリスに来ることが出来た葉博士はエヴァンスと再会する。
エヴァンスは実は石油会社の御曹司で、今はその莫大な財産を受け継いでいたのだった。
葉博士から三体星人のメッセージの話を聞いたエヴァンスは、彼らを“主”と呼び、三体星人の移住を積極的に誘致する団体を密かに立ち上げる。



帰っていいよと言いながら、後で殺したのは嘘ではないのか?と思ったら、あの女殺し屋はエヴァンズの財団育ちの地球人だそうで、だから彼女は噓つけた訳ねw。

アンジェリーナ・ジョリー似のオギーが主役かと思ったら、意外にも中国人俳優が演じるジン・チェン博士の方が、三体星人の謎を探るのに最重要人物だった。

銀河系外の異星人が移住先を求めるSF作品というのはこれまでにも有ったが、どうやって宇宙に爆弾設置したん?は置いといて、相手の事情が恒星の三連星だったり、量子コンピューター出てきたりと、設定が緻密で面白い。
Netflixs版は資金が潤沢なのでCGも凄いし、主要メンバーの俳優達の人種がバラバラなので、視聴者がキャラクターを区別しやすいのも良い点だと思いました。

結局、三体星人と地球人は分かり合えるのか、否か…。
とりあえず、この人類の一大事に、トマス・ウェイドという非常に冷静沈着な指揮官が居たことは人類の宝か。
トマス・ウェイドの売られたケンカは買う姿勢は、欧米っぽいと思った。

第一部である『三体』は、終わってみればまだまだ序章という感じだったので、第二部、第三部がどの様に展開するのか気になるところだ。
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