イシ

仮面ライダーBLACK SUNのイシのレビュー・感想・評価

仮面ライダーBLACK SUN(2022年製作のドラマ)
3.6
遂に子供が観れなくなった仮面ライダー。
完全に大人向け作品。
開始すぐわかりました。
あ、これ、子供ダメだ…と。

グロテスク表現もさることながら、
怪人のディテールも生々しい。
だから、生き物感が伝わって、痛々しい。

現代と60年安保闘争時代を行ったり来たりするので、見辛い点があるが、
軸が、差別者と被差別者の争いという点で全くブレないため、意外とわかりやすい。

差別者=人間、被差別者=怪人という構図は変わることなく、怪人側は、差別からの脱却を目指して過激になっていく。

その怪人と主人公が戦うわけですが、
実は、最も目的がわからないのが、主人公。

自身が怪人であるために、
怪人自身の悲劇も、
怪人がもたらす悲劇も防ぐ。
そのために怪人を殺すという、
仮面ライダーの主人公らしからぬモチベーション。

主人公、怪人、人間とそれぞれの立場と正義が交差しながら、進んでいくのですが…
その様は怪人たちの群像劇と言えます。

差別の中でもがいている者たちの物語と見れば、
また違った見え方ができるかもしれませんね。

なお、主人公とその親友を演じられた、
西島秀俊さんと中村倫也さん、
マジでかっこいい。
ちゃんと変身ポーズ決めて頂いてます。

最終話のお二人の熱量がハンパなく。
この対決に向かって、これまでの話が繋がってきたと思うと、実に感慨深かった。

仮面ライダーは、子供の観るものでしょ?という方には
是非、今作をご覧いただいて、
衝撃を受けていただきたいですね!
イシ

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