ビジュアル面が凄まじい。ライダーと怪人の生物的なデザインとそれをうまく立体化したスーツが芸術的。何より驚くのは人間→バッタ怪人への変身バンクのCGで、最近下火気味の日本もお金があれば豪華な映像を作ることができる事に感動した。
物語には不満点があり白石監督が撮る仮面ライダーという事で、どのようにして落とし込むかを期待していたのだが、脚本の方が意識していたのかプロデューサーの意向なのか、結果としてはいつもの白石監督の映画に仮面ライダーをちょこっと足しただけというお粗末なものだった。見たかったものは『仮面ライダー』であって『孤狼の血』ではない。
総評すると樋口氏の考案したベルト、怪人、ライダーのデザイン、田口氏の担当する本格的なゴア描写のある特撮部分は『仮面ライダー』としてかなり挑戦していたが、物語を構成する側が仮面ライダーをとってつけただけで『作品』として特に挑戦していないのが残念。
