製作が決まった時は、東映がやっと仮面ライダーというコンテンツをアメコミヒーローよろしく大人向けの路線で展開してくれるのかとかなり楽しみにしてました。
さすがの俳優陣はみんな一流の仕事をしており(特にルー大柴が最高)それが朝のライダーにはない良い感じのアダルト感を与えていたものの、拭いきれない特撮の着ぐるみ感やSF的な設定・考証のガバガバさ、ツッコミどころが多すぎる脚本に、「所詮はジャリ番に何を期待してたのか」と突き放されたようでひどくがっかりした。
その歪なバランスのうえで語られるあまりにも若松孝二的な政治思想の偏りが強すぎるストーリー。
BLACK SUNだからって『黒い太陽七三一』とかけてくるなんて、ある意味でストレートすぎて逆に誰が想像できたんだよ。
最終的になんだかカルトな魅力のあるドラマに仕上がっており、『シン・ウルトラマン』にも似た失望と珍味を同時に感じる一品でした