うーーむ…これは……ダメな気がするぞ。
怪人差別は完全にBLMを意識してるんだけど、それが表層的すぎるというか。
ほら、最近の問題を入れたらええんちゃう！って感じであまり考えずにやってるような気がしました。
怪人差別を人種・移民への差別のメタファーにしていたのにも関わらず最後にストレートな移民排斥デモにしてるのも作品としてスマートじゃないですよ。
そういうの抜きにしても仮面ライダーのリブートとしてなんだかな〜というところが多い…。
もちろん「変身！」って言われれば抵抗不可能な興奮はあるし、西島さんも中村さんも演技が鬼上手いので、光太郎が苦渋の表情でヘブンを食べるシーンや「敗北の意味だ…！」ってところにはグッとくるし、信彦の悲しい目や「あの頃に戻りたい…」って言葉には涙腺が刺激されます。
デザインもカッコいいし、ビルゲニアの悲哀やクジラさんの可愛さ等々、好きなところはたくさんある。
でもそれ以上に困惑が大きい。。
いちいち過去に話がいくのもダルいので、どこか丸々1話使って過去編やっちゃって欲しかったなぁ。
笑わせたいんだかわからんシーンが多いのもノレない。
シリアスな方向で行くならそれで突き抜けてほしいし、荒唐無稽で行くならそっちで行ってほしい。
最終回のオープニングのノリで全編やってくれてればもっと好きになってたかな…。
石ノ森ヒーローには戦争や差別、人間の愚かさと、それ故の愛おしさがあって、現代リブートするなら重厚なお話にしたい気持ちはわかるけど、
切実なテーマは必ずしもシリアスにやらなきゃいけない決まりはないわけで、
あっけらかんとした荒唐無稽ヒーローにもそのメッセージは込められるはずなんだよな……
みんな『ダークナイト』以降そっちばっかやってて困る…。
20年以上前の『仮面ライダークウガ』に出来て、今できないってなんなんだよ！全く！！！！
でも西島さんの変身ポーズはうっかり日常でマネしてしまう。かっこいい。
