無表情で無口の息子アイザックが毎晩3:33に起き出してくる。我が子の不気味なこの行動に悩んだ母は、精神科医に頼るも甲斐がない。それどころか、彼女自身もときに不可解な一場面をフラッシュバックすることがあり、しかもそれは過去の一場面であるようで、未来の予知を含んでいる。
アイザックの誘拐を機に、その実行犯とおぼしき独りの老人が逮捕され、尋問を受ける。この男、幼少期に家族が破綻したことをきっかけに、人生を何度もループするようになったという。彼は他人を不幸から守るべくその運命にいちいち介入しては、別のあり得たよりよき世界に書き直し続けていたらしい。
ループ＋平行世界。なぞ（世界の仕組み）が説き明かされていく終盤は息を飲む。
