トケグチアワユキ

我らがパラダイスのトケグチアワユキのレビュー・感想・評価

我らがパラダイス(2023年製作のドラマ)
1.0
完走後追記(2023. 03.24.)

最後あきれて追記するのも忘れてた。
主人公たちの悪事(と敢えて書きます)がバレてバリ封鎖たて籠もりで解決とか、これホントに小説原作か? 
もしも原作がこの通りだったら、私はこの時点で本を引きちぎって捨てますね。
設定に失礼なストーリー(久しぶりにこんな表現した)だと思わないのか?
原作かドラマ制作者たちか知らんけど、物語を紡ぐという行為をナメてると思う。
読者/視聴者をバカにしてるとしか思えない。
こんなにアタマの悪い解決でスッキリするほど現実はあまくない。
俳優のみなさんは与えられた役を全うしていらっしゃいましたが、こんなストーリーを紡いで平然としていられる原作/脚本/制作には心底失望した。
スコアは下げます。
〈付けない〉は現状追認なので、《最低》を敢えて付けます。

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一昨年、昨年と立て続けに両親を亡くした身としては、老いと介護はとても身近な話。
人間は老いて〈衰弱(←ここ重要)〉するということに否が応でも向き合わざるをえない。
歩けなくなるし、考えられなくなる(←!!)。
もっと言うと、味さえ感じなくなってくる。
それは親もだが、いずれ自分自身も直面する問題。

介護にも格差があり、それを逆手に取る主人公たちにカタルシスを感じないわけじゃないが、リアリティのあるストーリーとは言えず、別にエンターテインメントのドラマで格差問題を告発してもらいたいとか思ってもいないのでそれでもいいんだけど、楽しく観られるかって言うと、何だか本質を棚上げにしたまんま笑ってる、何でもカネで解決できる層の戯言ドラマにしか見えない。
まあ、原作がコピーライター出身の保守本流、林真理子ならではってことなのかなぁ。

俳優陣の上手さが本当に救い。
ただ介護問題から目を逸らし、逃げる人々を演じてる方々のリアルが、自分自身に覚えもあるだけに逆にイタい。

油井昌由樹が俳優として熱演してるのには驚きを隠せないが、彼と高岡早紀のエピソードには感情を揺さぶられる部分もありつつ、いかにも〈つくりばなし〉を感じ、ドラマから興味を失わせていく要因にもなるというアンビバレンツを感じる。

とりあえず最後までお付き合いはするけど、これを人生逆転劇みたいなキャッチコピーで煽ってるのは、あまりにも現実離れしてると思うなぁ。