こんなに「日本文化」をよく表したドラマはないのではないでしょうか。自分達をいじるメタ認知的な笑いが好きで、会話はかなりハイコンテクスト。外国人に日本人を知るためのコンテンツを紹介するとしたら、本作を選びたいです。主人公と同級生たちの会話があるあるすぎて、共感できる部分が多すぎです。
30代が人生やり直すという時代設定が自分にとって絶妙で、ドラマや流行物などの懐かしい要素の連発でした。記憶を持ったまま子供に戻ったら、という思考実験としてもかなりリアルでした。個人的に4週目の開き直った大人子供の主人公が最高に好きです。本当に笑えました。
人生やり直す話ですが、基本的には全ての人生を肯定してくれる感じがまた良いです。主人公は基本的に利他的な良い人で、周囲も基本的にはそう。そんな人たちが、より幸せになるために主人公は頑張っているわけです。やり直すたびに違う職業につくのも秀逸で、いろんな職業の人たちの人生を疑似体験して自分の共感性を高めてくれるドラマでした。
安藤サクラの安定の演技を始め、良い味出してる系ばかり集めた豪華俳優陣も素晴らしいです。ちょい役の永瀬正敏の存在感。
ちょっとはずしたクールなドラマでありながら、最後はしっかり感動させてくれる脚本に仕上げたバカリズムはすごいです。ダサい歌が最後に心に染みたり、小道具のプリクラが最後に泣かせる演出に使われたり。笑って泣けるとはまさにこのことです。
