第73回文化庁芸術祭、テレビ・ドラマ部門大賞ほか受賞。
世の中には、目を背けたくなるような「現実」がたくさんある。
本作は、まさにそうした「現実」を、小さな産科とそこで働く少女の視線から見つめる物語。
ひとはいのちをめぐって、ときに怒り、泣き、そして叫ぶ。そんな人びとの感情の熱量をやさしい風景と音楽が包み込むことで、観ている者の心を洗いながしていく。
また、登場人物のだれもが等身大で、きっとどこかにいるのではないかと思えてくるほど。
こうした徹底的なこだわりからは、「現実」はもとより、みんなのためのドラマをつくるという制作者たちの強い熱意がみえる。
いのちと向き合うことについての喜びと悲しみ。その両面をこれほどまでに教えてくれるドラマをほかに知らない。
すべての方にみてもらいたい名作。