予想通り、そして期待通りグロい。主人公の能力が"血を操る"ことからもわかるとおり、バイオレンスな要素盛り盛りです、この学園ヒーロードラマ。
本作は『ザ・ボーイズ』シリーズのスピンオフとして作られており、超人としての能力に目覚めた若者たちを育成するヒーロー学校〈ゴドルキン大学〉を舞台としたブラックユーモア満載の作品です。
変態で露悪的なキャラばかりなのも『ザ・ボーイズ』のスピンオフらしいし、銃社会やドラッグへの警鐘も風刺としてもよく出来てるなあと感じます。
ヒーロー能力=銃
能力を覚醒させる薬物〈コンパウンドV〉=ドラッグ
その他、学生たちが人気を競い合い、SNSでの支持を集めようとする構図や、
「あなたのため」という言葉で誘導し、支配しようとする親。
そういった風刺と問題提起が感じられる作品なので、ただグロく、センセーショナルな展開にしただけの"バズる目的"で作られた作品とは一線を画します(まあ、悪趣味な部分があるのは否めませんが)。
とりあえずここから入って『ザ・ボーイズ』シリーズを追いかけるのも良いと思いますし、カオスな展開や絵力は、刺激の強い作品を求めてる人におすすめ。
また、『ザ・ボーイズ』においては非能力者たちがクソなヒーローをぶっ殺すという話でしたが、今回は「能力者たちを支配しようとする非能力者たち」というグロテスクな構造を見せることで、本編へ一石投じる内容となっています。
立場が変わることで恐怖の対象もまた変わり、両作を観ることで社会がグラデーションなのだということを強調しているかのよう。
要はあれです、本作で最後に出てくるキャラが言うとおりです。
「見事なクソどもだ」