キラリ

瑠璃も玻璃も照らせば光るのキラリのレビュー・感想・評価

瑠璃も玻璃も照らせば光る(2022年製作のドラマ)
3.5
"一緒に頑張ろう"

父が脳梗塞で入院、母はうつ病を患っているヤングケアラーの高校生が主人公。

本作は、家族や友達を思いやって行動できる優しくてまっすぐな女の子のお話で、そんな彼女がいつも周りに「私は大丈夫」と言いながら頑張る姿は観ていて辛くなってしまったほど。それくらい感情移入するほど、主演の豊嶋花の演技が光っていた。踏切で今まで抑えていた感情が爆発するシーンも印象的。1時間と限られた時間内でヤングケアラーの実態や新しい仲間との出会い、青春、そして家族の希望まで丁寧な心理描写とともに描いている脚本も素晴らしい。

「頑張れ」という励ましの言葉は、時に奮い立たせてくれるものだけど、受け取る側の立場や状況次第ではとても残酷な一言になってしまう。

「頑張れ」というどこか無責任で追い詰める言葉ではなく、「頑張らなくていいんだよ」「一緒に頑張ろう」と相手に寄り添うことの大切さを教えてくれるこの作品は、なにかと窮屈で生き辛さを感じる世の中に一筋の光をそっと差し込んでくれるような、そんな温かいドラマだった。
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