みーちゃん

みをつくし料理帖のみーちゃんのレビュー・感想・評価

みをつくし料理帖(2017年製作のドラマ)
4.0
放映時、良いなーと思っていたので最初から見たら、止められなくなり、全八話+スペシャルまで一気に見てしまった(Filmarksではドラマとスペシャルはタイトルが分かれているのですが、話が繋がっているのでマージします)。

このドラマには、不思議な魅力があると思う。表面上は、優しいとか、温かいとか、ほっこりする表現が似合いそうだけど、それだけでは無い。そんな雰囲気だけのドラマなら魅了されないから。

物語の基盤となるレシピは、時代考証や趣向を踏まえ、原作者が全て実際に試作しており、思いつきやイメージではなく、再現性のある料理であることと、カツオをさばくのを含め、調理シーンも全て主演の黒木華ちゃんが吹き替えなしで演じていることも説得力になっていると思う。アクション映画と同じくらい技の習得が難しいはず。

そして、恋愛に関する描写。これは見かけとは裏腹に、ヒリヒリするほどセクシー。森山未來と永山絢斗が、すごく良い。控え目で奥ゆかしい距離感だからこそ熱い。当事者間で交わされるのは、抽象的な言葉ばかりであるところも好き!

そんな中、私が引っかかったのは、萩原聖人演じる又次が、人間的にはいい人だけどスキルの描写が無く、料理人としての存在感がよく分からなかったことと、成海璃子演じるあさひ太夫が、立居振る舞い含め、絶世の美女&カリスマ花魁には見えなかったこと。それ以外は、ご寮さんの安田成美、つる家の主人の小日向文世はじめ、脇役陣も素晴しかった。