めしいらず

ノンレムの窓 2023・新春のめしいらずのレビュー・感想・評価

ノンレムの窓 2023・新春(2023年製作のドラマ)
2.7
「匿う男」
ある日突然にタイプの美女が「警察に追われているから匿ってください」とアパートにやって来たらどうするのか。本当は下心に悶々としながらもそれを押し隠した紳士的な体裁を崩さない関わり。更には彼氏までも転がり込んで来てしまい…。建前と欲望の狭間で揺れる非モテ男子の心情がだんだんに哀愁を帯びていく。しかしオチで見せた対応が実に気が利いている。逃した魚はやはり大きかった。そして非モテ男子も後悔から学ぶのだ。キャスティングが絶妙。
「代行社会」
子供を叱る。謝罪。返却の催促。鼻毛を指摘。クレーム処理…。言いたいことを上手に伝えるのが不得手な日本人には本当に成立してしまいそうな代行業である。そして告白、プロポーズ、浮気を指摘され振られても食い下がる、仲直り、親への挨拶…。一連の流れに関わっている人が全て代行業者なので何だかヘンテコな気分になってくる。代行業者が真剣に業務に取り組むほど可笑しさが際立つ設定がお見事。
「大人になってからの友達作り」
親友同士が税制優遇される”親友法”が施行され親友契約が交わされる社会。しかし主人公には親友どころか友達すら一人もいなかった。それは彼女のこれまでの些か高慢な生き様に起因するのであって、疎外されてから困り果ててももう遅い。しかし本来親友というは認知し合うものではない筈で、結局長く付き合いが続いた人がそうだったというだけのこと。妙てけれんな法律は傷まずに済む人をわざわざ炙り出して痛めつけるだけである。
めしいらず

めしいらず