ことのは

今日もあなたに太陽を ~精神科ナースのダイアリー~のことのはのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

主人公の明るさとひたむきさがとても好きで。精神疾患に対する向き合い方を徐々に知っていくところも、彼女を内科から遠ざけるための勧めだったのにそれを乗り越えていく姿がとても好感が持てた。
前半の主人公の成長には周りのサポートとボヨンさんはじめ患者さんとの出会いと触れ合いが多くて。特にボヨンさんは存在として大きかっただろうからとても胸が痛かった。自分の人生の幸せを得たいと思って躊躇ってしまったことで失われてしまった命への罪の意識も、あの時会おうと言っていればという後悔は一生消えない傷になってしまうこと。
何度考えても乗り換えられる気がしないと思ってしまった。だけど直後は乗り越えなきゃと頑張ってしまってより深い鬱状態になる感じもとてもよくわかるから見ていて後半はしんどい気持ちもあったな。

病気を自覚するまでの辛さ、周りの人たちの辛さも描いているのがよりリアルでだからこそあたたかさも救いもあった。簡単に治るものではないけれど、向き合って付き合って生きていくしかなくて。デモのときの誰でもなり得る病気、あなたの家族が退院した時に言われる言葉ですよって言葉の重みと、それを婦長に言わせる脚本の素晴らしさよ。

幸せになるには多分自分と向き合っていく必要があるから、それに気づけた主人公の姿に勇気づけられたし、幼馴染が再就職して自分の現状をみんなに伝えて新たなスタートを切ったことに涙が止まらなかった。幼馴染のやさしさがいつだって素敵で、先生のやさしさはいつもまっすぐでどちらも輝いて見えたな。あんなふうに好意を向けてくれる人と出会いたいと思った。

ドュルレさんと先生の関係性も素敵で。先生が親を捨てていいんだっていう言葉は彼女が1番言われたかった言葉なはずだから。大切にしてくれない人をそれが家族だとしても切り捨てていいんだっていうのは救いだよ。現実を生きるためのナースを辞める決断の時の楽しいと思えないって言葉もとてもよくわかる。やりがいがあるってことと、楽しいって感じるのは全然別だから。

副師長、婦長の家族との話もとても考えさせられるもので。誰かの救いになり得るドラマだと思った。
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