このレビューはネタバレを含みます
スタローン主演、テイラー・シェリダンがディレクションした作品。
前半は25年間服役したマフィアが現代に戸惑いつつシノギを作っていく様をコメディタッチで描いている。
このマフィア(ドワイド)役をスタローンが本当に楽しそうに演じており、当たり役だと感じた。
また、タルサという「辺境」でゼロからやり直すマフィアモノって、ありそうでなかったような気がする。
しかし、3話目以降カーアクションあり、銃撃戦ありでいよいよマフィア映画のようになっていく。
「昔カタギ」なところは昭和の任侠映画のようだし、「血で血を洗う争い」はグッドフェローズのようでもある。
これが全く予想もしなかったストーリーの連続で非常に興奮させられる。
話は変わるが2024年のオスカー授賞式をめぐる論争を見ても、誰もが政治的正しさの檻から逃れられない現代で、こんなにアンモラルな作品があって良いのかと思う。
本作を観て「マフィアモノ」の普遍性に驚くとともに、ある種時代遅れのテーマを現代に違和感なく落とし込むテイラー・シェリダンの手腕にも感服する。