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東京の雪男のカーネルのレビュー・感想・評価

東京の雪男(2023年製作のドラマ)
3.4
面白いというか興味深かった。
発想と着眼点が良いと思います。
舞台を近未来として、寒い所に居住していた雪人と人間の異種間に起こる
〝超多様性カップルのリアル〟(冒頭のインタビューシーンより)を描いたドラマ。
そしてそこには、それこそ多種多様な問題が多く提示されます。
〝愛情〟〝子孫〟〝少子化〟〝移民〟
〝不法就労〟〝温暖化〟〝環境〟
〝野生動物〟〝害獣〟〝食糧廃棄〟
〝差別〟〝婚姻制度〟などなど

〝ヒト科の男女カップル〟いわゆるマジョリティ……それ以外のマイノリティな組み合わせの代表が、雪人と人間のカップルなわけです。
雪人とヒトとの間に生まれたユキオ(磯村勇斗)は全てのマイノリティに置き換わる存在なんですね。

〝同じです。私たちは同じ生き物です〟
とヒトの翠(北香那)はユキオに言う。
けど、〝キョン〟は駆除され殺される。
杓子定規な自治体の対応、
なかなか進まぬ法整備。
あぁ今の日本でのアルアルだなぁ。

『東京の雪男』は『日本のマイノリティ』
って置き換えられるんですね。

4話は、異質な回で翠の母の〝夢〟の話。
〝偉い人〟がいない公平な世界の話。
セリフが超少なめ。色合いが柔らかい黄色で独特な雰囲気漂う〝夢〟パートは重要なパート。そして現実に戻ってにそれをうまく繋げてしまう………。そして最後に〝転調〟して最終話へ繋ぐ。巧い。
不思議な雰囲気の歌が心に響きます。

予想外にシビアな問題が内包されていていました。が、緩くてほんわか、かつ表情豊かなピアノのBGMが心地よく耳に残り、救われた………。




私の大好物、水澤伸吾をはじめとして味のある役者総動員って感じです!
安藤玉恵 浜田学 水間ロン 中村靖日 ゆうたろう ………

高石あかりはちょっとだけ『ベイビーわるきゅーれ』風味が出てました!
吉村界人が切なかったなぁ
4話の北村優衣は『ビリーバーズ』以降ちょくちょく見かけるようになりました。がんばれ!
緒川たまきはいつ見ても素敵。
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