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麒麟がくるのtakeのレビュー・感想・評価

麒麟がくる(2020年製作のドラマ)
5.0
戦国大河の新境地。

・英雄像の見直し
信長はサイコパスで魔王感なし。秀吉は腹黒い。だが説得力が凄まじく魅力的な造形。

・時代全体の描写
戦災孤児、医者、旅芸人らを絡ませることで、戦国時代の庶民も描くことを試みている。ドラマの本筋から外れるため退屈なパートになることもあったが、本作が挑んだ重要なテーマだったと捉えられる。

・文化面からのアプローチ
合戦や謀略の描写に偏らず、本能寺の変に至る流れの中に、文化的な要素を織り込んだ。「蘭奢待」をめぐる天皇との確執を掘り下げた大河は初めてでは?他にも「平蜘蛛」や「桂男」など、文化的な調べが随所に散りばめられていて、物語に奥深さを生んでいる。


前半は川口春奈・帰蝶と本木雅弘・斎藤道三が圧倒的に魅力的なキャラクター性で物語を牽引。後半は十兵衛光秀と信長の離れゆく心が丁寧に綴られ、長谷川博己と染谷将太が流石の芝居を見せている。全44話にわたって見所だらけの大傑作。

ジョン・グラム氏のテーマ曲とタイトルバック映像、力強い書体が相まって、オープニングのクオリティは歴代最高。

黒澤和子氏の衣装もカラフルで見栄え良く、本当にカッコいい。終盤の十兵衛、道三、今川義元あたりが特に好き。
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