ろく

家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だったのろくのレビュー・感想・評価

4.8
最高にズルいドラマである。もうもうもう。

①まず河合優実が可愛すぎる(河合だけに)。あの独特の演技にちょっとわたわたしているシーンなんか何度足をばたつかせたか。特に会社に就職するとこはもうこっちも頑張れ頑張れでいっぱいである。これ観て河合ファンにならない奴なんかいないだろうって感じだ。

②そして酒井真紀が健気すぎる。酒井は動脈乖離で車いす生活になってしまうがそれでも娘の事、それに息子のこと、亡き夫のこと、母のことをこれでもかで愛している。河合主演のドラマなのに最終話ではボルボのシーンで涙止まらず。良かったね良かったねと語りかけること幾度。さらにご機嫌に車いすを乗るシーンもサクラと相まって素敵だ。

③吉田葵が凛々しすぎる。いいぞ、吉田。ダウン症の青年だけど、実は一番しっかりしているんじゃないかと言う家族のキーマン。彼が一人暮らしをするシーンでは自然に応援なんですよ。演技なのかな~。それくらいダウン症なのがすんなりわかる。

④美保純が困ったばあちゃんだけど憎めなさ過ぎる。美保純は認知症の祖母を演じる。たまに憎まれ口を叩き、隠れて旨そうに煙草を吸うシーンなんかなんとも良い。彼女の昔のシーンなんかがまた上手く挿入されるんだ。それで彼女の事が補完される。

⑤錦戸亮がズルすぎる。だってあんた死んでいるじゃない。何にいいとこ持っていくんじゃないの。え、死んでいるのに持っていくって?それは観てほしいけどとにかくずるいんだ。後半になればなるほどずるさは拡大。最後10話ではもうそのずるさに涙止まらなくなっているんだ。

⑥その他脇役も良すぎる。特に河合の友人役の福地桃子がいい。彼女のなんだかんだ言っても芯が強いとこに痺れてしまう。あのペットショップですらすらとデンマークの言葉を話してしまう彼女のキャラ設定が絶妙ですよ。その他も癖ありありで楽しめる。

⑦で大阪弁がずるいんだ。もうあんな言葉使いされたら身に沁みますよ。関東に住んでいるものとしては一番ズルい言葉は大阪弁だと思っている。あのこっちの隙間にするするって入る感じね。それがなんとも心地良いんだよ。全編するするするする入っていく感じ。あの感じが気持ちいいんだよねえ。

⑧結局、展開がズルすぎるんだ。もう毎回泣く。何度も泣く。あれ6話でも泣いたのに8話でも泣いた。あれ9話でも。10話では泣かないぞ……泣くじゃーん。ダメダメダメです。こんな展開では泣くしかないじゃないですか。


というわけでこんなドラマをBSだけで流してはダメですよ。もっとみんな観るべきなんです。くしくも河合人気が世に広がっているタイミングだ。NHKよ、しっかりと地上波でも流すんだぞ(と思っていたら7月にNHKでもやるらしい。皆さん、観るなら今だぞ)。
ろく

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