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仮面ライダーアマゾンズ シーズン1のinazumaのレビュー・感想・評価

4.7
"仮面ライダー大っ好きおっさん"層向けに作られた、ダークでちょいグロなアダルトライダーシリーズ。とは言うものの、ちゃんとほっこり笑えるノリもありますよ。

「クウガ」以降顕著に語られ、今やヒーロー作品における永遠のテーマ「なぜ戦うのか」「なにを守るのか」などなど重い問いかけに主人公と登場人物たちは葛藤します。これぞ僕の求めている仮面ライダー。現在テレビ放映中の良くも悪くも子供向けな仮面ライダーシリーズを否定する気はありませんが、やっぱりこういう"大人"な感じが仮面ライダー作品には合っているとどうしても思ってしまいます。「怖い」「カッコいい」「難しくてよく分からん」、この3拍子が子供の頃(「クウガ」世代です)の僕をワクワクビクビクさせてくれてました。このアマゾンズも全然テレビで流しちゃっていいと思うんですけど!グロいけど、鬼滅がOKなんだから、余裕でしょ!

今回脚本が小林靖子。この名前ですぐピンと来るのが大傑作「龍騎」。なるほど登場人物の描き方が素晴らしい。「龍騎」では、最初印象良くない、もっと言うと嫌いなやつ(蓮とか北岡とか)が、回を重ねる度にどんどん好きになっていくんですね。アマゾンズでいうと駆除班の面々も同じ。なんかチャラい感じで、金のために怪人退治やってるとか言っちゃって、最初全然印象よくなくて「早く全員喰われないかなー」なんて思ってたのが、もう最後の方になったら「お前らのこと、一生忘れねぇぇ」と印象が180度変わっちゃって。これが脚本の技術ってやつですね…恐れいりました。
登場人物全員素晴らしい!(まもるのやり過ぎなナヨナヨ男子ぶりに慣れるのにはちょっと時間かかりましたが💦)

言いたいこともありますが。。怪人たちの扱いがヒドイんです(泣)
「響鬼の後半」とか「ディケイド」でもあったことですが、過去に戦った怪人が、後になると戦闘員みたいにわらわらと出てくるのが本当に嫌だ!気分悪い!怪人ひとりひとりの"見せ場"を大切にしてくれよ…マジでこの風習やめてもらえないかな…怪人スーツにお金がかかるのは分かりますが…

文句たれましたが、めちゃくちゃ面白い作品であることに間違いないので是非!
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