なお

ペンディングトレイン―8時23分、明日 君とのなおのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

たまたま偶然、同じ電車に乗り合わせた乗客同士が突如異空間に飛ばされ、共同サバイバル生活を送ることになったら…?

これまで数々の人気作を手がけてきた金子ありさ氏によるオリジナル脚本ドラマ。

✏️つくばエクスプレスは安全運転に万全を期しています
まずはよくこれ、つくばエクスプレス(TX)側がドラマ協力をしてくれたな…
安全・安心が当たり前になっている日本の鉄道サービスにおいて、架空の出来事とはいえ「脱線事故」にも近い演出をするとは。
TX側の懐の広さを感じさせる。

さて、そんなTXの脱線事故、もとい列車の消失から端を発する「異世界へと飛ばされた乗客たちの群像劇」。
日本でこうしたサバイバル的なシチュエーションを取り扱うドラマってかなり珍しい。
サブスク配信限定とかじゃなく、地上波でこういった題材を取り扱ったドラマを放映しようとするチャレンジ精神は素晴らしいと素直に思った。

ただ、肝心の内容や登場人物のキャラクターみたいなものは良くも悪くも王道。
リーダーシップを取る若者だったり、突然ヒステリーを起こす女性客がいたり、若いながらもやたら自然科学に造詣が深い学生がいたり。
またこちらも昨今流行りの「多様性」を尊重、意識してか、中国語を話す人物や年を召した女性客も登場する。

発生するイベントもある程度予測可能なもので、別車両のならず者がこちらの車両を襲ってくるとか、時間経過によって突然行けるようになるエリアが広がって新たな展開がスタートするなど、ご都合主義満載ではある。

あとこれは本作に限ったことじゃないけど、諸所に挟まれる「メッセージ性」ね…
これがやはり日本のドラマはわざとらしい演出しかできないというか、クドい。

特に最終回終盤の謎のイメージ映像…アレは何ですか?
「やるだけやるしかないよな」
そんな”それっぽいこと”を主人公である白浜と萱島に言わせておいて、突如出典不明、謎の”それっぽい映像”が差しはさまれる。

見ようによっては白浜と萱島たちが採った選択の結末を観客に委ねる、というより「丸投げ」しているようなものであり、あまりにも乱暴。

「尺が余ったからイメージ映像でも挟んでおくか…」
そんな制作放棄とも捉えられかねない(少なくとも自分はそう思っている)最終回の構成は大いに疑問。

☑️まとめ
最初の1、2話はそれなりに見られたが、それ以降は場面的な転換も少ない影響で画的な面白さも少なく、惰性での視聴となってしまったのが残念。

本編とは関係ないけど、主要人物の白浜・萱島・江口を演じたのはいずれも仮面ライダーおよびスーパー戦隊のニチアサ出身俳優。
またサブ級の人物ではあるが、一連の事件を捜査する刑事・村木を演じた白石隼也さんもこれまたニチアサ出身。
これらヒーロー作品出身俳優の共演と活躍を見られたのが唯一の救いか。

<作品スコア>
😂笑 い:★★★☆☆
😲驚 き:★★★★☆
🥲感 動:★★★☆☆
📖物 語:★★☆☆☆
🏃‍♂️テンポ:★★★☆☆
なお

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