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虎に翼のaのレビュー・感想・評価

虎に翼(2024年製作のドラマ)
2.5
(2週間ぶり再投稿)
期待してるからこそ残念、そういう感想です。非常に長い。

「生きるの辛いよね」「こういうのやだよね」って共感して、「自分だけじゃないんだ」って思って安心して、いい気持ちになる。そういうドラマの見方もあるとは思うんですけど。

昭和初期のフェミニズムを扱ったドラマ(と言ってもいいよね)、に私が期待するのは、根っから男尊女卑が染みついていた当時の日本で、どうやって女性の尊さに目覚めた/あるいは目覚めさせたか、というところなんです。
与謝野晶子も、「我ら婦人は久しく考えるという能力を放棄していた」と言ってます。女は下等だって言われて育つんだから当然です。そんな中で、なぜ我々が苦しいのか、打開する術はあるのか、そういうものを理論立てて言葉にしてくれたのが当時のフェミニストだと思うんです。平塚らいてうとか。

その点でこのドラマ、つまんないと感じてます。寅子は、現代を知ってる人間にしか共感されない気がします。戦前の女性蔑視に対し「はて?」って無邪気に言えるのは、雇用機会均等法とかが一応は制定されてる今だからでは。
今「核兵器所有?はて?」って言ってる人いても感動しないじゃないですか。根深い事情があるの知ってるんだから、それらを緻密な論理で打ち負かしてよってなりませんか。
法律家なんだから尚更です。なにか主張するには、筋道立った論述が必要なんです。相手がどんな不条理であっても。寅子が三段論法使ってるとこ、見たことなくない?言語化「すんってする」でいいの?

差別を細かく描き出してるかもしれないけど、『82年生まれ、キム・ジヨン』とは違うんですよ。100年前の話なんだから。昭和初期の価値観がヤバいのはみんな知ってるでしょう。

今後戦争とかいろいろを通じて、もっと男尊女卑の源泉やその対抗策を掘り下げる展開を期待します。伊藤沙莉もOPの米津玄師も好きです。だからこそ余計に。
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