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シガテラのmaoのレビュー・感想・評価

シガテラ(2023年製作のドラマ)
3.6
平凡で地味な高校生・荻野優介は、友人の高井とともに同級生の谷脇からいじめられ、息苦しい学校生活を送っている。そんな彼の夢はバイクに乗ること。通っている教習所には、ひそかに片想い中の、高嶺の花のような女の子がいる。荻野が彼女と距離を縮めるのと時を同じくして、高井は谷脇への復讐に向けて動き出していた。


醍醐虎汰朗による好演の甲斐あって、わたしは荻野のことが心底大嫌い。率直に言えば非常に童貞臭くて、まあそれは仕方が無いしいいのだが、荻野のいろんな態度や表情や言葉にかなりイライラしてしまう。

ひとつ例を挙げるとすると、致す気満々の荻野に対して南雲さんが生理が来てしまったと打ち明けたとき、あからさまにがっかりして拗ねるところとか。覚えたての奴はこれだから、、と舌打ちしてしまう。わたしが同じことをされたらブチ切れて追い出すか、良くて無視してしまうけれども、南雲さんはやさしいのでなんにも言わない。

荻野、おまえは許されているんだからな、何度も。見逃されているんだからな。愛されているんだからな。それを、、おまえ、、このラストは一体、、、、


毎話どんな終わり方をしても、心を少しほどけさせるのが、エンディングの「知ってら」/忘れらんねえよ。

忘れらんねえよは以前から大好きだが、「シガテラ」のために書き下ろされたこの曲があまりにも名曲すぎて、正直ドラマの内容より最後のこのエンディングが楽しみだった。

せつなすぎるラストを迎え、最終話仕様のエンディングではびっくりするほど泣いてしまった。物語のラストに驚き、ショックを受けていたところに柴田隆浩がそっと歌いかけてくるものだから、心の中の何かが溶けだしてしまったのだと思う。


「今夜 輝いてるこの街で湧き上がる歓声も
みんな集まったこの店にあふれる笑顔も
今つないだ手のひらから伝わる温もりも
こんな何もない僕を愛してくれたあなたも
いつか いつか いつか 消えてしまうんだ」

https://youtu.be/KNcD1uJQOmA
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