セドリック・クラピッシュの代表作「スパニッシュアパートメント」をはじめとした"グザヴィエ青春3部作"
まさかの続編スピンオフドラマ！
グザヴィエ(ロマン・デュリス)とウェンディ(ケリー・ライリー)の子供たちが主人公。
「民主主義発祥の地」ギリシャ・アネテを舞台に、ヨーロッパの今の若者世代の恋愛や葛藤を活写する、まさに新しい"スパニッシュアパートメント"という趣き。
2002年通貨統合がなされEUやこれからの若者たちの行方を楽観的に描いていた「スパニッシュアパートメント」
本作は、それとはコントラストを成す移民問題、差別や貧困、性暴力というテーマに向き合いながら、オリジナルの軽快さを継承した作劇。
ファンには嬉しいオリジナルキャストの出演や、国籍や人種も多彩な演者たちの丁々発止を楽しみつつも、やはり全体的には雑多で、ドラマシリーズらしいダイナミズムが得られず、視点も良いだけに、惜しい印象だ。
ノアムやクリストスの顛末に至ってはドラマを展開する為の"演出"として安直のきらいがあり、キャラクターにもテーマ自体にも少し不誠実に思ってしまった。
ただそう感じるのも、それだけ登場人物たちと演じる若い役者陣が魅力的だからで、やはりそれは楽しい。このキャストの中から、またロマン・デュリスやセシル・ドゥフランスの様な人気俳優が出てくるかもしれない。
ロシア/ウクライナ情勢の変化にも触れられ、混迷の香港へ向かう主人公。
続きを、観たい。
