クドカン作品ということで期待はしていたけれど想像以上。コメディと痛いほどのリアリズムの絶妙な塩梅。
12年前の災害を「ナニ」と曖昧に名付けたことで視聴者は色々なシチュエーションに当てはめることができると思う。もちろん東日本大震災が一番に頭をよぎったが、何かしらの災害をきっかけに貧困層が身を寄せあって生きるコミュニティーは少なくない。
互いに過交渉はしないが何かあれば助け合う。しかしそれだけではどうにもならないこともある。
池松壮亮はもちろんのこと、仲野太賀、渡辺⼤知、三浦透子、濱田岳の演技が光っていた。
個人的には「親おもい」「プールのある家」「がんもどき」にやられた。上手く生きることができない人間を見るのは辛いのにこんなにも愛おしい。
所々登場する皆川猿時演じる猫のトラが良いコミックリリーフとなり救われた。
