おほつくゎ

季節のない街のおほつくゎのレビュー・感想・評価

季節のない街(2023年製作のドラマ)
4.5
建前で動く社会と、正論だけでは成立していない現実があって、その乖離と軋みの中で生きている人たちの話。
話し合うだけじゃ戦争は止まらねえし、助成金出すだけじゃ子どもは生まれねえし、住む場所作るだけじゃ人は立ち退かねえし。
結局は全部暴力なんだよ。強い力に引っ張られて世界は変えられてしまうんだよ。
そんなものにNOを突きつける時があったっていいだろうが。
そのあとで、長いものに巻かれたって、別にいいだろうが。
それがパンクだ。
このドラマはパンクロックだった。

俳優の演技がとにかくすごかった。
六ちゃん役の濱田岳の、キチガイの演技がもうとにかく凄い。第一話で引き込まれた。あの目の動きだよな。
かつ子役の三浦透子も素晴らしかった。7話のラストの歌のシーン、痺れました。最終話クライマックスでのかつ子ちゃんは、俺が思う理想の何かだった。俺は常にああやって生きていたい。
キャッツみてえな皆川猿時も終始馬鹿馬鹿しくて良かった。
MEGUMIのおっぱい。焦げたLiiLico。最高でした。

第二話「親おもい」、キモかったなあ。
第四話「牧歌調」、タイトルもオチもメチャクチャ面白かった。
第五話「僕のワイフ」オチ最高。愛最高。
第六話以降全部、展開が盛り上がって、辛い現実がドンと押し寄せて、でも最終話でそれを良い話っぽくして終わって。
最終話の狂乱。あれが1番感動した。
うーん、良かった。良いドラマだった。

黒澤明の「どですかでん」と、山本周五郎の「季節のない街」、これもチェックしないとなあ。
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