Solo1968

季節のない街のSolo1968のレビュー・感想・評価

季節のない街(2023年製作のドラマ)
3.8
 カテゴリー分け、人にお勧めする時の キラーワード が極めて困難な ここ数ヶ月の中では、飛び抜けて心に響いた作品。

 池松君 中野君 濱田岳さんといった 新鋭大物若手?俳優さんをメインに 荒川良々をはじめとした クドカン監督周りのお馴染みの役者さんで固め
はてさて、単なるコメディーなのか?大どんでん返しとか?とにもかくにも予想もつかず 予想してたころでしょーもないというのが途中から感じて ただただ毎回何も考えず作品に身を委ねた。

作品の舞台が福島である事やBGMや空気感は もちろん あまちゃんを感じずにはいられないが、本作における若者の青春の苦さは、あまちゃんにおいては存在しなかったので、陽気で面白いコメディーと思って見ると 突然心臓を鷲掴みにされるような切なさ、苦しさ やるせなさがやってきて、あと10秒その空気が続くと涙ボロボロとなるが、絶妙なタイミングでカラッと独自のシュールな笑いに持っていく感じがとにかく心地よかった。

自分の生まれる前に発表された同タイトルの日本文学の名作といわれるものももちろん自分は初耳で、ドラマ終盤で歌われる曲の出だしに、そういや、春夏秋冬の出だしの歌詞もこれだったな、など思う程度だった。本作は学のある人のみが堪能できる高貴な作品では無く 性別年代によって、受け止め方も様々だとは思うが、ほんの三十分ほどの一話一話を見た後の例え用のない心地よさは他に類を見ない。

これを機に 原作の日本文学の著書を手に取ったところで、きっと自分には何一つ感じることはないのはわかっているし、黒澤明監督による映像作品を見たところでそれもきっと自分には理解は出来ないものと思う。


中野君演じる タツヤと
主役の池松君演じる 通称
ハンスケの中盤以降のエモーショナルな掛け合いは、セリフやシナリオももちろんのこと、お二方の役者さんとしての凄さを誰もが感じられるだろう。

大好きな作家さん
松本大洋の匂いも自分には感じられ、その辺りもたまらなく心地よく、それを一言で説明するのはどうしても出来ない
Solo1968

Solo1968