ファウスト池崎

季節のない街のファウスト池崎のレビュー・感想・評価

季節のない街(2023年製作のドラマ)
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舞台の展開に近くて良かった。3,4話で突然始まる夢ん中みたいな演出が好きなので六ちゃん視点は大体好きです。本人にしか見えてない世界が第四の壁越しに中途半端に干渉する回だ〜〜い好き。
終盤も宮藤官九郎らしく物理的にめちゃくちゃになるので最高。めちゃくちゃなりたいもんな。
宮藤官九郎がどこにも行けない人間の鬱屈さとか、その場所で続けるその人たちの"明るさ"だとか、側からみた時の救い難い愚かさとか、一度その場所を捨てたが戻ってくるしかない行き場のなさとか、それはさておきど〜しようもねぇくだらなさとかを描くのが兎に角上手いので困る。

でも根本が「今より着実に悪くなる、そして生活は続く」なので基本ずっとしんどい。しかも本人らにはその場所しか居場所がないので抜け出せないし、そもそも抜け出すという選択肢がないのが尚しんどい。子どもにとって親は絶対らしいのでもう終わりだよ……2話とか6話とか7,8話の話だよ……終わりだよ……。
基本的に救いがない。でも必ずしも本人たちだけの所為でもない。だけど全くの他人を救えるほど俺たちには余裕がない何故なら皆が大変だから! やるせねえ。自助は駄目、共助も限界、公助はハナから当てにするなと国が言う。
それでも生活は続く。