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ケーキの切れない非行少年たちのdarumaのレビュー・感想・評価

4.0
フィルマの夏ドラマリストに入っていて存在を知り、主演の小林桃子さんが河合優実ちゃんの事務所の後輩だったので告知を直近で見かけて録画。NHKでもBS1放送のドキュメンタリードラマだけあって、内容がリアルで見応えありました。実話ベースのドラマがメインですが、時々関連したドキュメンタリーが入ります。

知的障害(IQ70未満)ではないが、IQが平均値に満たない「境界知能」の女の子が主役です。彼女がいろいろあって産んだ子どもを遺棄してしまい、少年院に収容されるという話なのですが、個人的には、少年院を出るところまで、ではなく、その後、が描かれているのが良かった。ドキュメンタリーなので、更生して終わり…ということはないですよね。それがとてもリアルでよかったというか。お涙頂戴ではなく、そうなりますよね、という展開。(でも実際、卒院?するところは泣けた!でもそこからが…)

これは普通にあると思う。

彼女の考え方として、結婚相手を探すのが
「子どもの為」
というところが、グッと来てしまった。
決して身勝手ではないのです。

(勿論、身勝手な所というか、自分が楽しければ良いように見えるし、短絡的な発想ではある。でもそれは境界知能から来るものだと考えると、凄く複雑…)

障害者の問題は、物凄く難しいです。
突き詰めて考えると。
これも同じ。

私も本作で初めて「境界知能」という言葉を知りました。
その存在も。
言われてみれば…みたいな。

知っているか知らないか、その差で周りの対応が変わる。
(勿論変わらない場合も大いにあると思うが…知っても「構っていられない」という世間の余裕の無さはあると思うから)

でも、弱者を弱者と認識する。
社会が「知っていく」ことが大事なんだと思います。

小林桃子さん、とてもよかったです。
河合優実ちゃんの後輩という認識のもとに観たせいもあってか、この子は来るな~!と思いました。
最初、観る前に場面写真を見た時は、ちょっと似てるかも…?と思いましたが、全然違いました。
でも、違う役を見たらまた印象が変わりそう。

ほか、平岡祐太さんが少年院の精神科医、穂志もえかちゃんが看護師、工藤夕貴さんが主人公のお母さん役で出演されています。
平岡さんのある発言に穂志もえかちゃんがギョッとするシーンがあるのですが、そこが印象的だった。
御三方とも役どころに非常に合っていました。

観たのは放送の2日後くらいだったと思うのですが、感想を書くのを溜めていたら、なんと!脚本の山口智之さんが映画「笑いのカイブツ(岡山天音くん主演)」に参加されていることが発表になって、めちゃくちゃ驚きました。(映画、期待できそう…!)
NHK脚本開発チームWDRプロジェクトに参加されている方だそうです。このプロジェクトについても事前に見かけた事があったので、非常に納得。(ちょっと注目していました!)

ちなみにこのプロジェクトには、私の知っている方で、兵頭るりさん(「就活生日記」「おいハンサム‼︎(脚本協力)」「初恋の悪魔(脚本協力)」など)、松井周さん(劇作家さんです。舞台を観ました。それこそ天音くんの!)、喜安浩平さん(NHKの金田一耕助シリーズ、映画「桐島、部活やめるってよ」「ディストラクション・ベイビーズ」など)が参加されています。またお一人、知っている方が増えて嬉しいです。
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