りっく

最高の教師 1年後、私は生徒に■されたのりっくのレビュー・感想・評価

3.5
松岡茉優と芦田愛菜に引っ張られながら、他の若手キャスト陣も好演を見せ、とにかく言葉の説得力で最後まで突き進み切った。綺麗事ではない形で問題を解決し、力づくで未来を変えようとする、そして自らの未来を掴み取ろうとする様に心を掴まれる。

この手の学園ドラマでは、ジャイアン的ないじめっ子や不良が教室を牛耳り更生する対象にされがちであり、実際にそのような展開になっていくが、教師を殺した黒幕にいわゆるシラケ世代を代表するようなキャラクターを据えたところに現代的なものを感じる。そして無感動・無関心に対し、当事者も苦しんでいる視点を入れるのもフェアでいい。

だが、人生をループするという設定、自分を殺した相手は誰かというミステリー要素、そして教師の顔ではない家庭やいきつけの店での松岡茉優と、彼女の周囲にいるあまりにも薄っぺらいキャラクター描写がうまくいっていない。終盤に差し掛かるにつれ正論を振りかざす尻すぼみな形になってしまったのも物足りない。
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