三畳

初恋、ざらりの三畳のレビュー・感想・評価

初恋、ざらり(2023年製作のドラマ)
4.5
恋愛ドラマじゃない!自分と異なる他者との向き合い方とか、自己肯定感とは何かとか、短い深夜30分の中に丁寧に詰め込まれていると思う。
原作に付け足されたドラマオリジナルのパートも良い。
2000年代みがあるサウンドのOP曲もいい!

軽度知的障害で一見ほとんど普通の人と変わらない生活を送れる、けど色々足りないありさちゃん。
silentに続いて障害を持つ女性との向き合い方に戸惑う役所の風間俊介演じる岡村さん。

やっぱり目が離せないのはパートのお母さん。誰よりキビキビ働いてみんなの面倒を見ている。凡ミス繰り返すありさちゃんに指導するたびに毎回泣きそうな顔をされる、キツい口調とはいえ正しいことを言ってるだけなのに。

みんなが臨機応変にサービス残業してる中、マニュアルにないことはわからない空気の読めないありさちゃんは定時で帰ってしまう。私も不文律が苦手だから身に覚えがある。

少人数の職場なので当然不満が出る。
あれちょっとどーなんですかなんとかしてくださいよと管理職に申告するも、
ありさちゃんに激甘で守りたい期の岡村さんは「じゃあ、皆さんも明日からは定時で帰ってください」と告げる。

それは本来正しい対応でもある。
ありさちゃんを残業させるのではなく全員を帰す。健常者も働きやすくなる。

でもパートさんからしたら「そうじゃないでしょ」「じゃあ今までの努力は?」「障がい者は守られてていいよね」と映ってしまう😭

このパートさんはシンママで子供を保育園に預けて毎日ギリギリまで頑張っている様子。
守る側の彼女を守ってくれる人は誰もいない。
余裕なく苛々日々こなす中ある時、自分が致命的なミスをしてしまい、いつも人に口うるさく言ってるのに自分ができてないことを恥じて自責する😭これまた自分も身に覚えがある。

でもざまあみろって思った視聴者は一人もいないと思うよ。

ありさ母は多分ありさちゃんのためを思ってこそ厳しい現実を生きる方法を突きつけてくるけど、総合的にみてやはり毒親ではあると思う。

5話後半だけ見逃してしまった…ともちゃんどうなった?
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