１時間x6話。「大いなる遺産」ってこういう話だったっけ？って思ったけど、まあ原作をちゃんと読んだわけではなく映画とかで見ただけなんですけどね。
前半はゴシックホラーか、というくらい暗く救いがなく、でも話はだいぶ整理されているように見え、最後一気にハピエンになるの。
つい気になってWikiとか見たけど、やっぱり話はだいぶ変わっているみたい。(いくつか消えてるキャラがいて、ジョーとの関係も変わっている。ラストは全然違う)
目当てはフィン君だったわけですが(２話目の途中から登場)、野心と恋のために悪魔に魂を売る青年。ぴったり。
そして、最近見たばかりというのもあるけど、「幻滅」にすごく近いものを感じた。
バルザックもディケンズも原作は新聞や雑誌などへの連載形式。書かれた時期は20年ちょっとずれてるけど(バルザックの方が先)、どちらも19世紀前半で近いというのもある。
大都会の活気と混沌と堕落、身分制の壁に阻まれながらも、どうにかしてのしあがろうとする若者の死に物狂いの(時に犯罪ですらある)努力と、それを見下す人たちの冷笑。あと、「幻滅」の映画の方でははしょられていたけど、地方で穏やかな生活を送り、主人公に時にばかにされながらも変わらず献身的な友人の存在。
一方で、このドラマ化で独特で面白かったのは、とにかくずっと、テムズが脇役のようにそこに流れていて、当たり前のように様々な大きさの船でそこを移動する描写があること。
川縁で船を見て育った、というのが大きな要素になっていて、そこが何より今のロンドンとの違いとして印象に残った。
BBC製作なので、19世紀の汚い薄暗いロンドンの描写はもちろん素晴らしいのだけど。
あとBBCなので、キャストの人種も実に様々。ジャガーズがすごい素敵✨(そんな格好いい役だった？)
