このレビューはネタバレを含みます
どうしても今日見たかったので、録画して拝見。
森田剛が素晴らしかった。招魂祭の穏やかな語り口で涙が出て、学徒出陣の魂の叫びに揺さぶられた。玉音放送では残酷な現実に相対して葛藤しながらも立ち続ける和田さんの、アナウンサーとしての“自負”がびしびし伝わってきて、本当に凄かった。
「先輩、私には自負があるんだ」
「それならおれや館野にだってあるさ」
とても印象的なシーンだった。和田さんが主役だけど彼だけではなく、館野さんや米良さんたちそれぞれの生き様や自負を、短い時間で丁寧に描いていて、とても見応えのあるドラマだったと思う。
ラストのセリフは、横っ面を引っぱたかれたような気になった。「発した言葉はなくならない。せめて繰り返すな」と、そんな強い意志と警告を感じた。
実際に命をやり取りする戦場で言葉は役に立たないかもしれないが、日々の暮らしの中で言葉は人を生かしもすれば、殺しもする。安田顕が見たくて見たのだけど、多くの人の目に触れて、考えて欲しい作品だと思う。
