うにたべたい

イナズマンFのうにたべたいのレビュー・感想・評価

イナズマンF(1974年製作のドラマ)
3.0
イナズマンの続編。
新人類帝国を壊滅したイナズマンだが、新たな敵・ガイゼル総統率いるデスパー軍団との戦い描いた作品です。
タイトルが変更された以外にも大幅なテコ入れが行われていて、主人公であるイナズマンこと渡五郎は続投ですが、実質、別と考えた方が良いかと思います。

元々比較的暗い雰囲気のイナズマンでしたが、Fになってシリアス度があがりよりダークな雰囲気となっています。
超能力ブームから始まったイナズマンの特徴である、正義の超能力少年少女のチーム・少年同盟はフェードアウト、友人の豪作や、レギュラーキャラだった大木姉弟も降板となります。
代わってイナズマンと共に行動するのはインターポール捜査官・荒井誠で、彼が第二の主人公として立ち回る形になっています。
爽やかな青年だった渡五郎は、基本的に眉間にしわを寄せるようになります。
登場しないわけではないですが、サナギマン状態で耐えるシーンや、ライジンゴーの登場も比較的抑えられ、デスパー軍団と渡五郎、荒井誠の戦いにフォーカスがあたった内容に改められています。

序盤より登場する敵の参謀ウデスパーは、アルファ、ベータに分裂してイナズマンに襲いかかり、その後、合体するなど、子供向けに考えられている部分もあるにはあるのですが、ギロチンデスパーに代表される、どうみても子供向けではない回もあって、当時の子供に本当に人気があったのか、聞いてみたいところです。
味方の裏切りにあったガイゼル総統の耳が削ぎ落とされるシーン、全身にドクロや融解した人間が異生されたギロチンデスパーが、人々を斬首するシーンが有るなど、怪奇モノとしてインパクトは強いですが、前作のイナズマンと比較しても異色という感じがあります。
度々、渡五郎と荒井誠の、関係性を疑うシーンがあるのも強烈ですね。
そもそも子供向けの特撮で屈強な兄貴二人組が主役で、子役のレギュラーや狂言回し役がいないというのが、ちょっと独特な感じがします。

デスパー軍団の壊滅と、5万人の人々が閉じ込められているディストピア・デスパーシティから人々を救い出すストーリーですが、重い雰囲気は終盤まで本当に大団円で終わるのかというハラハラ感があります。
ハードでクセの強い作風ですが、カルト的な人気もあると聞きますし、正直なところわかる気もします。
メジャータイトルの続編ですが、フラッシュは見る人を選ぶ作品な気がしました。