うにたべたい

キャプテンウルトラのうにたべたいのレビュー・感想・評価

キャプテンウルトラ(1967年製作のドラマ)
3.7
21世紀後半、人類はついに宇宙開拓時代を迎えた。
だが、宇宙に進出する人々を襲う未知の危険は多かった。
これは地球を離れ遥か彼方に浮かぶ、宇宙ステーション・シルバースターを拠点に宇宙の平和のために活躍する、"キャプテンウルトラ"の物語である!!

キャプテンウルトラは大怪獣ブームを巻き起こした『ウルトラマン』に続くウルトラ・シリーズの第三弾です。
制作が追いつかなくなりやむなく打ち切らざるを得なくなったウルトラマンでしたが、スポンサーとテレビ局はウルトラシリーズの続投を求め、東映が名乗りを上げました。
そのため、ウルトラシリーズなのですが、キャプテンウルトラは円谷プロではなく、東映製作のウルトラシリーズとなっています。
"ウルトラマン"のシリーズとは違うので、キャプテンウルトラは光の巨人に変身はしません。
太陽系外、または既存の星の内側から現れて、開拓民に襲いかかる宇宙人や怪獣と、生身の体で戦うヒーローとなります。

凄腕の光線銃の使い手で、3号合体メカのシュピーゲル号という強い武器を持っていますが、キャプテンウルトラの一番の武器は自分自身です。
巨大な怪獣や残忍な宇宙人の襲来にあっても、勇敢に立ち向かい、必ず撃破して戻ってくる頼もしい姿が描かれます。
ただ、演じてるのは昭和残侠伝や新網走番外地など任侠モノで有名な中田博久氏のため、内容を知らない人が見ると、頼もしさを感じさせる笑顔も「今殺ってきた」ところのようにみえるので注意が必要ですね。
また、襲いかかる大怪獣や巨悪宇宙人に対するキャプテンウルトラは変身もしないので、ウルトラシリーズの他作品に比べると知名度はやや低いように感じます。
キャプテンの快刀乱麻な活躍は素晴らしいのですが、キャッチーさにはどうしても欠けてしまいますね。

2クールあり、2クール目で路線変更が行われています。
前1クール目はバンデル星人編と呼ばれ、地球侵略を目論むバンデル星人とキャプテンウルトラたち宇宙パトロール隊の戦いが描かれています。
後1クールは毎話異なる怪獣が登場してキャプテンウルトラと対決する怪獣特撮ものになっており、個人的には進んだ科学力をもった侵略者・バンデル星人との戦いという縦軸を持った前半の方が筋がしっかりしているように思いました。
後半も面白いのですが、やはりキャプテンウルトラの宿敵といえばバンデル星人が思い浮かびますね。
すごいチープな造形なのですが、大量に現れて無表情に一般人を殺戮するシーンは独特の不気味さがあります。

1クール目ではキャプテンとロボット・ハック、そして異星人のキケロのジョー3人で行動しますが、2クール目ではキケロのジョーは故郷の星に帰り、変わってサブキャラクターだったアカネ隊員がシュピーゲル2号機に搭乗します。
アカネ隊員人気は当時すごかったようなのですが、こちらもやっぱり個人的には、シュピーゲル2号機はキケロのジョーだなぁと思ってしまいます。
キケロのジョーとハックの漫才のようなやりとりも楽しかった。
結構、尖った作品だったのに2クール目から無難になったような感じがしますね。