ゆみモン

華燭のゆみモンのネタバレレビュー・内容・結末

華燭(1992年製作のドラマ)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

このドラマシリーズでは、貞淑な未亡人役の多い加藤治子が、この「華燭」では珍しく、夫も子供も捨て家を出て男と暮らす奔放な女性を演じている。その加藤治子も艶っぽくてカッコいい。さすが名女優だ。
また小林薫も、田中裕子の恋人役が多いが、ここでは父親役だ。これも違和感なくさすがだ。

田中裕子演じる佐和は、母親が出奔した後、勤めも辞めて妻と母親代わりに徹している。結婚もする気がないようだ。
父親もまた、本人次第と言いながらも、佐和を自分の手元においておきたい気持ちを隠せない。
佐和と市太郎も、自分たちの心のままに行動することが出来ないでいる。
そんな佐和や父親の心を見抜いているのが、家出した母親の梅子なのだ。

やっと佐和と市太郎がお互いの気持ちに素直になり、父も結婚を認めるきっかけになったのが、市太郎の出征というのが切ない。
慌ただしく仮祝言を挙げ、出征までの短い日数を夫婦として過ごす…そんな男女が、この時代にはたくさんいたのだろう。

妹役の相楽晴子がとてもいいキャラクターで、重苦しくなりがちなストーリーのアクセントになっている。