タキ

広重ぶるうのタキのレビュー・感想・評価

広重ぶるう(2024年製作のドラマ)
3.6
定火消しの家に生まれ、役目の傍ら内職のように浮世絵を書いていた安藤重右衛門(歌川広重)とその妻、加代の物語。
「承知しました」がキメゼリフの優しい家政婦のミタさんみたいな加代だったが、小役人で禄も少なく、錦絵もなかなか売れなかった広重の苦しい時代を支えた人がいたんだろうなとそこはふんわりと見る感じ。優香の佇まいはすごくよかった。
興味深いのは版元と絵師の関係で、広重の東海道五十三次の版元は当時有名ではなかった保永堂、竹内孫八だったという話。ひとクセふたクセある保永堂(高嶋政伸)のキャラクターのなんと魅力的なこと。このあたりを詳しく描いて欲しかったが、テーマが夫婦愛のほうにシフトしていて、圧倒的に時間が足りない。来年の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」の主人公が版元として江戸文化の隆盛に大きく貢献した蔦屋重三郎ということで、この物足りなさを広くカバーしてくれるのではと楽しみにしている。
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