回想シーンでご飯3杯いける

ザ・コンチネンタル:ジョン・ウィックの世界からの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

4.2
いかにも「ジョン・ウィック:コンセクエンス」のプロモーション目的で作られた感じがして気に食わなかったのだが、いざ観てみると凄く面白い。

タイミング故に「コンセクエンス」とはスタッフ総入れ替えで作る必要があったはずで、それが「ジョン・ウィック」本編とは微妙に異なるテイストを生み出すという、予想外の効果をもたらした。魅力溢れる登場人物が生み出す群像劇としての面白さと、豊かな会話の洪水。そして、どちらかというとイギリス映画っぽい、クラブ・カルチャーの匂いがする音楽の導入である。分かり易く言えば、ガイ・リッチー作品に近いテイストか。

舞台は1970年代。劇場版シリーズ作にも登場するウィンストン・スコットが、いかにしてホテル「ザ・コンチネンタル」の支配人の座を獲得したのかを描く前日譚である。町のチンピラ達を巧みにコントロールしながら成り上がっていく様子は、往年のマフィア映画に於けるロバート・デニーロのようでもあるし、「バットマン」の世界に於けるペンギンにも近い。

駆け引きの数々も面白いし、最終話では劇場版「ジョン・ウィック」以上に派手な、アメコミ的展開のアクションをたっぷり楽しめる。大満足の全3エピソードである。