シガーandシュガー

刑事サニー サイコキラーを追う女のシガーandシュガーのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

知らない男に家に押し込まれ暴行されたことで療養していた刑事サニー(いしだあゆみに似てる)。繊細な見た目をジャンバーとジーンズに隠し、向上心むき出しで仕事に復帰しようとする。暴行されたことで秘密を抱え、同僚とはいまいちしっくりこない。
そんな中で追いかけるのは、女性を拷問して死に至らしめる連続殺人鬼ハフナー。
サニーの個人的な問題と、知能犯で残虐極まりないハフナーの追跡が並行で行われるのを見ていると、サニーの心身が壊れないのが不思議なくらいの過酷さ。
おまけにサニーを暴行したのが同僚だった(しかも理由も人間性もこの上なく利己的でゴミ)ので、サニーが正気を保てるのかが心配だった。ハフナーに殺されかけるし、うん、もうサニーは壊れてたのじゃないかと思う。

ゴミ同僚はサニーへの暴行が露見しないまま逃げおおせるのかと思ったけど、サニーが職場で堂々と糾弾してとっ捕まる。糾弾の内容は正直甘いし、サニーは腫れ物扱いだったから、それでも捕まえられたのは「刑事の集まり」だったからだろうな。パパパパっと色々なことが繋がって「確保!」になったんだろう。
取り押さえられる中での同僚の泣き言はすでに病んでいることを証明しているし(カウンセリングを受けていることが判明した時点で予想できるけど)、それを見つめるサニーとハフナーのセリフをオーバーラップさせることでサニーの傷の深さが想像させられる。

とにかくいろいろな意味で嫌なドラマだった。連続女性殺人鬼はつかまったし(処分されたし)サニーを暴行した犯人もつかまるけど、まったくスッキリしない。おそろしい。ひたすらおそろしいと感じたドラマだった。

先日観た「パロット」と主人公が似た境遇で、胸糞悪さとおそろしさも共通している。「パロット」のほうがまだ続く余韻を残していて嫌い。女性が暴行された事件はちゃんと終わらせてほしい。傷は癒えないのだから、事件そのものはちゃんと終わらせるべきだと思う。