やみいしゃ

下剋上球児のやみいしゃのレビュー・感想・評価

下剋上球児(2023年製作のドラマ)
3.9
想像していた内容とは随分違うドラマです。そう思っている方も多いのではないでしょうか。

ドラマも映画も全てが因果応報的でなければならない。一度でも過ちを犯した者は、幸せになってはいけない。充実した人生を送るなんて許さない。つまり、自分より不幸であれ。いつの間にかそんな世の中になったものだと思います。
だからヤクザが主役の話も、泥棒が主役の話ももうテレビで新たに生まれることはなさそうです。

ことごとく排他的に。言い訳ができないターゲットを見つけてはその人が完全に潰れるまで叩き続ける。
昨今のそんな社会に自分は常々恐怖を感じています。

もしも、家族がその当事者になったら、人生を変えてくれた恩人がたった一度の過ちを犯してしまったら、いつもネットでお気軽に完全否定するようにあなたはその大切な人も切り捨ててしまうのでしょうか?
このドラマが問題提起、議論の種になることを敢えて選んで挑んでいるのだとしたら、応援したいなと。今のところ自分はそう思いながら見ています。

健全でシンプルな少年野球ドラマを期待してた人がガッカリしている気持ちはわかりますけど。

----5話を見て
終始鈴木亮平の演技が良すぎるのよ…
最後あんなん泣くわ

----最終回まで見て
後半から終盤にかけて、前半ほどのインパクトはなく、結構おとなしくなっていきました。そこはちょっと残念。
黒木華や小日向のエピソードあたりからちょっと怪しかったんですよね。あれ?この話いらないのでは?ネタ切れ感?って。

このドラマのテーマと感じていた、「過ちや失敗しても人生は続く」については最後まで貫いてはくれたとは思うものの、後半以降は予選を勝ち進んでメディア等でも話題になり始めたあたりで、再度南雲の過去についてマスコミやSNSなどが騒ぎ始めるに違いない、そこの戦いと、甲子園への生徒たちの戦いの2本柱で盛り上がっていくのがこのドラマの見どころになるだろう、と想像していましたが、誰もがみんな南雲を受け入れすぎていて小日向さんくらいしか嫌味の1つも言わない程度で終わってしまったのはかなり拍子抜けでした。

あと、翔くんは「やりたいことができた」的なことを言っていたけど、後日譚でも結局よくわからなかった。あれ?