Hanareru

ウルトラマンオーブのHanareruのレビュー・感想・評価

ウルトラマンオーブ(2016年製作のドラマ)
-
自分の価値観的に気になるところもあるけれど面白かった。ガイのさすらうキャラクターとして格好よかった。子供を愛し、酷い目にあっても自分の怒りに囚われることのない飾らなさが好きだった。彼を取り巻く人間たちもかなり賑やかしく、現象の理屈を解説してくれるから怪獣の過程に理屈があるようで世界観に没入できた。ジャグラーの番狂わせ姿は1部のファンを狂わせるほどの不安定さが出てて、彼は余裕あるだけじゃなく困惑したりするから、その人間臭さ(宇宙人だが)も良かった。最後の戦いも王道展開で彼らのことが好きになっていたから、後腐れない終わり方がオーブの人間関係における適切なコミュニケーションがあった気がした。それに、地球を脅かすのは人間と言った、全体的に人間の愚かさにおける批評も入っているところが好きだった。そういった人間の行いに対する否定的な態度もオーブの魅力になっていた。
ただ、この作品は自分の感覚的に不満もある。ヒロイン?となる女性の話になると、彼女だけの話ではなく、どうやら結婚や恋愛といったそちら側のエピソードばかり盛られていて、へテロ的だなと嫌だった。他のキャラクターは『ニセモノのブルース』等はヒーローとは何かというものに集中しているのに対して。結婚を迫ってくる親や結婚することを選んだ友達を恨んだりと言った視点が、かなり日本の価値観に寄り添った臭さが出ていて、それをヒーロー作品でやるのはどうしても嫌だなと感じた。ここまで、嫌と書いたのは、これは私の捨ててはいけない個人的な感覚から出ているために嫌と書いていて、誰がどう思おうと構わないが、俺はそこがどうしても目につくし不快だったと書く。本筋が面白かっただけに、どうしてそんな話を選んだのだろうという、モヤモヤとしたものが残った作品だった。人に勧めるとしても、その視点を考慮して書いてしまうかもしれない。
Hanareru

Hanareru