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夏至物語のいののレビュー・感想・評価

夏至物語(2023年製作のドラマ)
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黄色とオレンジの部屋。古い家屋で畳の部屋だけど、カーテンやそこから差し込む光や揺らぐ風は優しくてお洒落。アイナ・ジ・エンドの声は優しくて甘いけど、語る内容はキツい。新聞記事の惨劇だったり、酷いけど愛してる男の話だったり。これは岩井俊二の描く世界だ。この世界の黄色は、前日まで読んでいた川上未映子の『黄色い家』とも繋がる世界のような気がして、だからアタシは苦しくなる。最後、良かったな。夕方、目覚まし時計が2コが鳴る。急いで部屋を片付ける。お化粧して身支度する。彼女が単眼鏡で覗いていた部屋に帰宅した男性。アイナ・ジ・エンドも帰宅した直後風。妄想の世界はどこまでも優しい。優しさと残酷さの区別がわたしにはもう出来なくなる。
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